(1)国内生産「1000万台」

 自動車産業は今日、社会人生活の第一歩を踏み出す人や自らの可能性を信じて新たな挑戦に燃える人など多くの新入社員を迎えました。こうした新人に向けて日刊自動車新聞では本日から、新しい連載企画として「新人歓迎!数字で読む自動車産業」を開始します。キーワードは数字です。毎回、生産・販売・流通・企業などから一つのテーマを取り上げ、数字を切り口として、その全体像を分かりやすく解説していきます。

 国内生産の指標となっているのが1千万台だ。2013年の国内生産台数は、前年比3.1%減の963万70台と2年ぶりに減少し、5年連続で1千万台に届かなかった。1980年に初めて大台に到達し、90年の1348万6796台をピークに1千万台前後の水準で推移してきた。しかし、2008年に起きたリーマンショックの影響で09年に800万台を割り込み、11年に発生した東日本大震災が追い打ちをかけた。

 リーマンショック以降の円高は輸出への大きな打撃となった。さらに米財政問題が浮上すると、1ドル=70円前後と円高が進行。こうした超円高を背景に、生産拠点を海外へ移行する動きが加速した。

 海外生産へのシフトは、国内市場が成熟し、少子高齢化の中で市場規模が縮小しつつあるというのも理由の一つだ。一方、自動車メーカー各社は、急速に市場が拡大している新興国を今後の有望市場として販売に力を入れている。そうした市場に競争力ある価格で商品を投入していくためには、為替、人件費、税金、電力エネルギーなど国内の製造コストは高すぎる。それぞれの市場に合わせたクルマづくりという観点からも市場に近い拠点での生産が拡大している。

 それでもトヨタ自動車は300万台、日産自動車とホンダは100万台、マツダは85万台、三菱自60万台というように各社とも国内生産の維持を表明している。一定規模の国内生産が雇用維持をはじめ、日本経済に大きく関わってくるためだ。また生産技術など、ものづくりの国際競争力を高める上でも国内生産の維持は欠かせないとみている。そのレベルが1千万台ということになる。

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