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自動車業界トピックス

トヨタ、定額乗り放題参入

国内販売改革の詳細を発表

 トヨタ自動車は1日、新モビリティサービス導入、東京新直営販売店での全車種併売先行など、国内販売改革の全体像を発表した。新サービスは、カーシェアリングや月額定額制でさまざまな車種に乗れる仕組みを東京から始め、全国へ広げる。同日、名古屋市内で開いた全国トヨタ販売店代表者会議でトヨタの豊田章男社長は「地域に根差した新しいモビリティサービスを提供できれば、トヨタの販売店ネットワークは地域にとってかけがえのない存在になる」と変革への参画を呼びかけた。

トヨタが打ち出した「自動車を造る会社からモビリティカンパニーへの変革」は、販売店を巻き込んだ改革が避けて通れない。ユーザーとの接点は販売店が一手に担っているからだ。今年の代表者会議はその一歩を踏み出す場になった。
商品戦略では、全販売店・全店舗での全車種扱いへの切り替えを2022年から25年にかけて実施する。東京では、直営4社が19年4月に合併するタイミングで、先行して全車種併売に移行する。現在と同等レベルの国内年販150万台を維持する方針だ。
モビリティサービスは、18年12月に東京・中野区内の駐車場など20カ所で、販売店の試乗車を活用したトライアルをスタート。19年2月には都内直営販売店の20店舗を拠点に、都内全域に展開する。全国でも、販売店主導のモビリティサービス展開を促す。コネクテッドカーで集まる走行情報などをもとにしたポイント付与も検討する。トヨタはシステムやデバイスの提供でバックアップする。
個人向けに月額定額で複数車種を貸し出す「KINTO」は、「愛車サブスクリプションサービス(定期払いサービス)」という位置づけ。車両、税金、保険、メンテナンス込みの月額払いでレクサスやトヨタのさまざまな車種に乗ることができる。「好きな車に乗りたい、自由に選びたいというニーズに応える」として、新たな顧客獲得をねらう。
同様のサービスは、イドム(旧ガリバーインターナショナル)が「ノレル」の名称で16年8月に開始。現在、全国展開を目指している。
KINTOは19年初に東京で始め、全国や海外での展開も検討する。サービスの運営会社は別途新設する。運営会社が販売店から車両を購入し、点検整備も販売店に委ねる。思いのままに移動できる孫悟空の「筋斗雲」からとったという。
19年4月に発足する東京の直営新会社の社名は「トヨタモビリティ東京」。チャンネル制は廃止し、シンボルマークはグローバルトヨタのロゴに順次統一する。全国では、4チャンネルを維持するとしている。

※日刊自動車新聞2018年(平成30年)11月2日号より