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自動車業界トピックス

旧型車向けチューニング用パーツ  最新技術で復刻生産

HKS、車を楽しむ文化の草の根を広げる

エッチ・ケー・エス(HKS、水口大輔社長、静岡県富士宮市)は、旧型車のチューニング用パーツの復刻生産に乗り出す。今春にもマツダ「ロードスター」のサスペンションキットを発売するほか、コンプリートエンジン(チューニングを施した改造エンジン)の部品を最新技術を用いて再生産する。1990年代までに発売された旧型スポーツカーを巡っては、自動車メーカー各社が廃番補修部品の再供給などに乗り出した。旧型車の愛好家を純正およびアフターマーケットの両分野が支援することによって相乗効果が生みだされ、車を楽しむ文化の草の根をひろげていくことが注目される。 HKSが再生産するロードスター用のサスペンションは車高調整式(車高調)で、初代モデルの「NA型」、2代目「NB型」向けを用意する。一般道での安定性と快適性を高めたサスペンションキット「ハイパーマックスⅣGT20SPEC」の新ラインアップ「ヘリテージシリーズ」として、今春にも発売する計画だ。

NA、NB型ロードスター向けに設定する「ハイパーマックスⅣGT20SPEC」

ヘリテージシリーズは過去に商品化していたキットを最新技術でリニューアルする商品と位置付けている。今後はユーザーから受けたリクエストを検討しながら、再生産品目を拡大していく。

合わせて、今夏には日産自動車「スカイラインGT-R」に搭載された直列6気筒ツインターボエンジン「RB26DETT」の部品を復刻生産する。コンロッドやピストンなどで、最新の解析技術と材料を用いて形状などを新設計。高出力対応への対応や軽量化などを図る。コンプリートエンジンに組み込み販売するほか、部品単体の販売も検討していく。

すでに廃番となった旧型スポーツカーの補修部品については、自動車メーカーによる供給再開が相次いでいる。トヨタ自動車は「A70型」および「A80型」の「スープラ」用補修部品の復刻生産、提供を今春から始める。日産はモータースポーツ子会社を通じて「スカイラインGT-R」、ホンダは軽スポーツカー「ビート」の部品を17年から供給している。

※日刊自動車新聞2020年(令和2年)1月21日号より