日刊自動車新聞社

企業の採用ご担当者の方は「モビナビの求人掲載」

メニュー

自動車業界トピックス

モータースポーツ活性化へ  自動車メーカー2社が初のタッグ 

鈴鹿でファン感謝イベント「モースポフェス2019SUZUKA」

2018年のル・マン24時間レースで優勝したトヨタ「TS050ハイブリッド」と中嶋一貴選手(右)、ホンダ「CBR1000RR」とジョシュ・フック選手(左)
2017年のインディ500を制した佐藤琢磨選手は凱旋走行を行った
ジャンプを披露するトヨタ「ヤリスWRC」。ドライバーはチーム代表のトミ・マキネンさん
水しぶき上げて疾走する「アストンマーチンレッドブルレーシングF1デモカー(2019年カラーモデル)」

トヨタ自動車とホンダ、モビリティランドの3社は、モータースポーツの活性化とクルマファンの拡大などを目的にしたファン感謝イベント「モースポフェス2019SUZUKA」を、2、3日の2日間、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開催した。国内自動車メーカー2社がタッグを組んだ初めてのシーズンキックオフイベントで、トヨタ車やホンダ車で国内外のレースカテゴリーに参戦するマシン、ドライバー、ライダーが集まり、デモ走行やトークショーなどを行った。こうしたファン感謝イベントは、メーカー個社の単独開催が通例だった。今回、トヨタとホンダがメーカーの垣根を超えて共催イベントに乗り出したことで、今後、自動車業界全体としてモータースポーツを盛り上げる気運が高まることが期待される。

豊田章男社長と八郷隆弘社長も登場。共催イベントを楽しんだ

F1開催時のようだ―。2日朝、名古屋市内から鈴鹿サーキットへと向かう車中、スポーツシートメーカー、ブリッドの高瀬嶺生社長は大渋滞に巻き込まれながらも、嬉しそうにつぶやいた。通常、鈴鹿サーキットまでは約1時間の道のり。この日は2時間半以上もかかったが、会場入りする前から異例の盛り上がりを見せていた。

2日間で5万人のファンが訪れた

ファンの盛り上がりは数字にも表われた。晴天に恵まれたイベント初日は3万人がサーキットに来場。2日目はあいにくの雨模様となったにもかかわらず2万人が集まり、2日間で5万人を動員するビッグイベントとなった。
コンテンツも豪華そのものだった。トヨタとホンダがタッグを組み、さらに日産自動車やスバル、日野自動車の競技車両も参加。ファン垂涎のマシンが集結した。
トヨタは昨年のル・マン24時間耐久レースで優勝した「TS050ハイブリッド」や世界ラリー選手権(WRC)を戦う「ヤリスWRC」、ホンダはF1マシン「アストンマーチンレッドブルレーシングF1デモカー(19年カラーモデル)」、17年のインディ500優勝マシン「Dallara DW12」などを走らせた。
スーパーGTやスーパーフォーミュラ、モトGP、ダカールラリーに参戦した往年のマシンもデモ走行を行い、ファンはメーカーの枠、レースカテゴリーの枠を超えた一大共演に酔いしれた。
これまで鈴鹿サーキットは新シーズンの幕開けを告げるオープニングイベントとして、1988年から「モータースポーツファン感謝デー」を開催してきた。今年はトヨタとホンダの共催イベントとして「モースポフェス2019SUZUKA~モータースポーツファン感謝デー~」として進化させた。
初日の午後に行われた開会セレモニーには、豊田章男社長がヤリスWRC、八郷隆弘社長が「CBR1000RR」に乗ってサプライズ登場。豊田社長は「普段は競い合う2社だが、八郷さんにお願いしてイベントが実現できた。ファンの皆さんのおかげで今日が迎えられたと思う」、八郷社長は「本業、レースでは競争しているが、一緒にオールジャパンでモータースポーツを盛り上げていきたい」と挨拶。モータースポーツを盛り上げ、クルマファンを増やすため、両社長が先頭に立って取り組んでいく姿勢を示した。

※日刊自動車新聞2019年(平成31年)3月8日号より