日刊自動車新聞社

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わが社のES特集

コラム:ESあれこれ

作業環境と待遇改善

空調含めて身体負担を軽減

資格取得や技術習得を支援

整備工場の〝3K(きつい、汚い、危険)〟のイメージを払しょくするために何をすべきか―ディーラーのサービス工場や専業工場でハード面での改善が進んでいる。冷暖房を完備したり、屋外での作業に備えて熱線入りのダウンジャケットを支給するケースも見られる。

整備士不足が深刻化しつつあり、多くの企業でその確保に苦労している。整備士を育成する自動車大学校や整備専門学校に入学する学生はこの10年で半減しており、整備士の働きがいや職場の魅力をどう高めるかが大きな課題となっている。ハード面での改善もその一環といえる。空調だけではなく、身体への負担の大きい作業については省力化装置を導入するなどして、整備士の負担軽減を図っている。

これに加えて待遇面での見直しも進む。残業をできるだけ減らし、業務効率が改善した分を報奨金で報いる。さらに資格を取得すると手当を支給するなどして整備士の努力を評価しようとしている。資格取得や新しい技術の習得については、会社が積極的にバックアップし社員のモチベーション向上にもつなげようとしている。

新卒採用が難しいだけに現有戦力をいかに活用していくかが重要となっており、そのためにもES向上が不可欠になっている。

モチベーション

コンテスト開催や外部活動への派遣

独自資格も用意

受注台数など努力の結果が明確な部署は社員のモチベーションを維持しやすい。これに対し個人の実力や成果を測りにくい部門で働く社員の士気を高めていくのは容易ではない。そこで多くの企業がコンテストの開催や外部での活動に社員を派遣するなど、工夫を凝らしている。

整備士は国家資格に加え、ディーラーではメーカーによる独自資格も用意されている。その取得がモチベーションにもつながるが、メーカーの1級資格を早く取得してしまうと「その先の目標がない」(ディーラー幹部)ことになり、最近では1級のさらに上の資格を導入するメーカーも増えている。難しい資格に挑戦することが整備士としてのレベルアップになるほか手当面でも優遇されることが多く、こうした動きが広がっている。

また選抜した整備士をレース活動などに派遣するケースもある。日常の業務と異なり、レースという競争の場で作業を行うことが「勉強にも刺激にもなる」と参加した整備士は言う。整備技能コンテストなどへの参加も「成果がはっきりわかるだけにモチベーションが上がる」とする。

整備士の他では、ショールームで働くスタッフを対象にした接客コンテストなども盛んになっている。社員のモチベーションを維持・向上させることもES向上に不可欠であり、各社があの手この手で知恵を絞っている。

コミニュケーション

復活!運動会、社員旅行

〝社内の絆〟がっちりと

運動会、社員旅行、社宅― 。社員が集まって楽しむ時代ではないと廃れかかったものが、ここにきて復活しつつある。運動会や旅行では家族が参加するケースも増え、プライベートな時間をしっかり確保したいと敬遠された社宅も先輩や仲間とコミュニケーションを深められると評価されてきている。

自動車販売や整備のビジネスでは、競争が激しくなる中で顧客とのパイプをいかに太くするかが課題となっている。そのためには個々の社員のコミュニケーション能力の向上が不可欠と言える。さらに退職理由で上位に入るのが社内、職場内のコミュニケーション不足。顧客サービスだけでなく働きやすい環境づくりという点でもコミュニケーションが重要であり、そこに焦点を当てる企業が増えている。

運動会や社員旅行、社宅などが受け入れられつつあるのもそのためだ。この他にもフランクに話せるミーティングを定期的に開催するなど、社員同士が話しやすい雰囲気づくりに取り組むケースが目立つ。販売店などはその業務内容から営業とサービス部門をはじめ、社内で“壁”ができやすい。それだけに、こうしたコミュニケーションを深めるための仕掛けづくりが今後も増えそうだ。

育児支援

時短勤務や託児所の設置

〝貴重な戦力〟を大事に

育児休業から復帰する社員に対し、どういったバックアップができるか、多くの企業が知恵を絞っている。新卒採用が難しく、経験やノウハウをもつ社員は貴重な戦力。子育てや育児の負担をできるだけ軽減できるよう企業としてサポート体制を充実させることで、社員の能力を十分に発揮してもらえる環境づくりを進めている。

具体的には時短勤務を法定を上回る期間に延長したり、託児所を事業所内に設置するケースが増えている。育児の負担で離職を余儀なくされることを減らし、子育て世代を支援するのが狙いだ。地域によっては定員の関係で保育園に子どもを入れられない「待機児童」が問題となっている。さらには子育て世代は経済的な余裕が少ない世帯も見られる。こうした中で企業としてバックアップすることにより、離職率を下げ人材の有効活用を図っている。

また、会社によっては子育てを理由に退職した社員を、パートタイムで再雇用するところもある。時間の余裕があるときに出社してもらい、退職前に行っていた業務などを任せる。経験があるだけに業務遂行がスムーズで、本人の負担も少ないとしており、こうしたやり方が増える可能性も出てきている。

若者気質

ボランティアや社会貢献だって

安定志向・地元志向だけど

「最近の若者は…と嘆いていも始まらない。いかに若者の考えを理解して働く意欲を高めてもらうかが重要だ」。販売店や整備工場の幹部の多くはそう考えているが、いざ実行となると「なかなか難しい」と苦笑する。当世若者気質とはどんなものなのだろうか―。

まずは安定志向。親の世代も含めて好景気の時代を知らない人が多い。このため「とにかく安定した大手企業を望む」と学校関係者の多くが指摘する。また親の意向が強く反映され、会社説明会や企業案内も「親ごさんが評価してもらえるように意識している」という企業の採用担当者は少なくない。

地元志向も強い。自宅から通えるところで、転勤などしたくないという学生が増えているそうだ。全国展開はもちろん、海外に拠点をもつ大手企業で活躍したいというよりも「地元で安定した企業が人気」(高校の進路指導担当者)という。もちろん休日を大切にし、自分の生活を第一に考える若者が多いと言われる。

こうして見ると評価すべきところは少ないようだが、マイナス面ばかりではない。ボランティアや社会貢献への意識が高く、企業でこうした取り組みをしっかり行っていると学生の評価が高いという。企業の採用活動や入社後の人材育成でも、こうした傾向を踏まえて取り組むようにしている企業が増えている。