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よくわかる自動車業界

連載 自動車業界入門 ㊱日野自動車

日野自動車は、国内を代表する商用車メーカーの1社です。前身は東京瓦斯工業で、1910年に創業しました。42年には日野重工業が設立され、53年には仏ルノーと技術提携を行い、乗用車の生産を開始しました。59年には社名に「日野自動車」を冠するようになりました。そして61年に、同社が初めて自社開発した乗用車「コンテッサ」を発売しました。

その後、66年のトヨタ自動車との提携を機に乗用車事業から撤退し、トラック、バスの商用車専門メーカーになりました。2001年には第3者割当増資によってトヨタの子会社になり、現在はトヨタが日野の全株式の過半数を保有します。

日野とトヨタは大型トラックの燃料電池車(FCV)を共同開発中

日野は2002年にいすゞ自動車とバス製造の共同出資会社ジェイ・バスを設立し、18年にはフォルクスワーゲン(VW)の商用車部門(現社名トレイトン)と包括提携に合意するなど、他社との協業に積極的に取り組んでいます。トラック、バスでも、市場変動に影響されない収益体質の実現や、環境、安全対応に向けた電動化、自動運転の技術開発など、さまざまな課題を抱えています。提携などによって「仲間」を増やし、難局を乗り越えていく考えです。さらに今年3月、トヨタと日野、いすゞの3社が、中・小型トラックを中心とした商用車事業で提携を発表しました。3社は新会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」を設立し、共同でCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の技術や企画に取り組みます。とくにコネクテッドでは、3社の基盤を合せて運行効率の改善や整備提案などさまざまなサービスを開発し、物流・輸送業界の課題解決を目指します。

また、モータースポーツでは、1991年から「ダカール・ラリー」に出場しています。97年にトラック部門で1~3位を独占するなど、コンスタントに好成績を収めています。今年1月のダカール・ラリーでは、チーム史上最多となるクラス12連覇を達成しました。

※日刊自動車新聞2021年(令和3年)6月22日号より