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自動車業界トピックス

トヨタ・ホンダ・日産の2023年度電動車販売、北米中心にHV好調

EVは大幅鈍化

EVでは中国市場で巻き返しを図る(上海)

日本の大手自動車メーカー3社による2023年度の主要地域・国別電動車販売がまとまった(日産自動車は電気自動車のみ)。トヨタ自動車とホンダは、生産制約の解消に加え、ラインアップを充実させてきたハイブリッド車(HV)の販売が燃料高も背景に大幅に伸びた。HVの販売実績を開示していない日産自動車も「eパワー」搭載車の世界生産が過去最高を記録した。3社は24年度もHVの需要拡大を見込む。

グローバルの電動車販売はトヨタ自動車が385万5千台(前年度比35.3%増)、ホンダが89万3千台(同29.4%増)へと増えた。新車販売に占める電動車比率はそれぞれ37.4%(同7.8㌽増)、21.9%(同2.7㌽増)に上昇した。

けん引役はHVだ。トヨタとホンダのHV販売は22年度まで電気自動車(EV)ブームの影響で足踏み感も見られたが、23年度は大幅に増加した。特に伸びたのは北米で、ホンダは「アコード」「CR―V」が好調に推移し、33万8千台へと前年度から倍増した。トヨタも「RAV4」「カローラ」などが好調で、前年比5割増の80万5千台だ。

タイなどの新興国では中国メーカーがEV攻勢をかけているが、補助金の恩恵を受けていないHVの需要も伸びている。トヨタの中国を除くアジアの電動車販売は22年度から倍増の27万2千台に拡大。ホンダの中国を除くアジア・大洋州の電動車販売も「シビック」「HR―V」などが好調で5割増の7万7973台に増加した。

日産自動車はeパワー搭載車の販売台数を開示していないが、日本や欧州などで好調に推移しており、世界生産(生産国は日本、英国、タイ、中国)は39万3千台だった。

トヨタは24年度にHVの販売を447万6千台に増やす計画。ホンダも100万台規模に引き上げる方針で、HVの需要は引き続き堅調に推移しそうだ。

一方、成長率の鈍化が指摘されるEV販売は、日本メーカー首位の日産が2割近く減少。ホンダも3割近く減った。過当競争が続く中国で販売を落とした。トヨタは各地域・国で大幅に販売を増やしたが、それでも11万7千台で、26年に150万台とする〝基準台数〟との大きな乖離(かいり)がなお残る。3社は24年度内に中国に新型EVを投入する予定。競争の激しい中国でどの程度、受け入れられるかが注目される。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)6月6日号より