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自動車業界トピックス

〈税制2023〉自動車関連団体、2023年4月からの制度の行方に強い関心

納期遅延で顧客説明に苦労する可能性も

販売現場では、中長期的な車体課税のあり方より、来年4月から税制度がどう変わるかに関心が高そうだ。部品不足で新車の納期が延びるなか、エコカー減税の基準が切り上げられた場合は顧客説明や納車日の調整に苦労するためで「なるべく制度を変えないで」(販売関係者)との声も。単純延長や拡充ならこうした心配はない。自動車関連団体は、物価高による国民生活の負担増なども背景に、自動車購入時の優遇制度を拡充・延長するよう求めていく。

減税基準が切り上がると販売現場への影響は大きい

日本自動車工業会、日本自動車販売協会連合会などの主要団体は、エコカー減税(自動車重量税)、グリーン化特例(自動車税、軽自動車税)の拡充・延長要望で足並みをそろえる。また、総務省が導入した「環境性能割」については「旧自動車取得税の付け替えだ」(自販連)、「消費税との二重課税になっている」(全国軽自動車協会連合会)と反発し、即座に廃止するよう求める。日本自動車会議所は、動力を持たないトレーラー(被けん引車)への環境性能割の即刻廃止も求める。

自工会はさらに「即時廃止ができない場合、電気自動車や燃費の良い自動車を広く減免し、保有税の抜本見直しと一体で廃止すべき」とした。

国民生活や、自動車業界が置かれた厳しい環境を考慮するよう政府・与党に求めていることも今年の特徴だ。自工会は「550万人の雇用を維持し、15兆円の外貨獲得など日本経済に貢献してきた」と基幹産業としての役割を強調。自販連は、昨年7月から続く新車販売の前年マイナス基調を踏まえ「販売業界の活性化が、ひいては日本経済の復興にもつながる」と期待を込める。全軽自協は「軽や二輪車は国民の日常生活や経済活動に必要不可欠だ」と、現行水準以上の負担増に断固反対の立場だ。

政府・与党内では減税延長・拡充のため、エンジン車の優遇を縮小させる案もある。これに対し自販連は、税負担の国際比較を念頭に「非電動車であってもこれまで以上の負担を課す施策には反対する」と釘を刺した。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)10月24日号より