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自動車業界トピックス

「電子車検証」スタート、行政サービスのデジタル化加速

ディーラーや整備工場は対応待ったなし

自動車の登録・検査などの新たなデジタルサービスが4日から相次ぎ始まった。政府は「デジタル庁」の創設など行政サービスの電子化を今後も加速させる方針。新車ディーラーや整備工場など、自動車関連事業者のデジタル対応も待ったなしだ。

デジタルサービスの目玉は自動車検査証の電子化(電子車検証)だ。必要最小限の記載事項を除き、車検証情報はICタグに記録される。対象車種は登録車(排気量660cc超)と小型二輪車で、軽自動車は2024年1月から電子化される予定だ。

自動車関連事業者もデジタルサービスの活用が求められる

国交省は、電子車検証の導入に合わせ「記録等事務委託制度」を創設した。電子車検証の記録更新や検査標章印刷といった事務手続きを、国が一定の要件を備えた自動車販売会社や整備事業者などに委託するものだ。事業所などからオンライン申請を通じて電子車検証の書き換えなどが可能となり、運輸支局へ出向く必要がなくなる。

自動車重量税と検査登録手数料の支払いで、クレジットカードも利用可能になった。窓口やオンライン申請の前に「くるまの保有関係手続お支払い情報登録サービス」のウェブサイトで申請内容と車両情報、クレジットカード情報を登録することで利用できる。印紙の購入や貼り付けなどの手間が減る。クレジットカードは検査手数料と技術情報管理手数料(OBD手数料)の支払いにも使える。対象手続きは、新規登録(新車・中古車)、変更登録、移転登録、車検、予備検査(新車・中古車)、登録事項等証明書交付請求など。ただ、自動車重量税については、決済金額に応じて「決済システム手数料」が発生し、利用者負担となる。

登録関係では、軽自動車で車検に続き、新車(新規検査・税申告)の手続きでOSS(自動車保有関係手続きのワンストップサービス)が始まった。これまで車検の申請手続き時に窓口で申請書類とともに提示が必要な納税証明書も省略可能になった。書面申請(OCR申請)、電子申請(OSS申請)いずれの申請方法にも対応する。

国交省では車検証の電子化に合わせ「電子車検証特設サイト」や「自動車検査登録総合ポータルサイト」などを相次ぎ開設。電子車検証の情報確認などができる「車検証閲覧アプリ」や、記録等事務代行者が車検証の変更などを行うための「記録事務代行アプリ」の配信も始める。

こうした行政サービスのデジタル化は今後も加速する見通し。これらのサービスを積極的に活用し、業務効率を高める発想が事業者に求められそうだ。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)1月6日号より