日刊自動車新聞社

企業の採用ご担当者の方は「モビナビの求人掲載」

メニュー

自動車業界トピックス

トヨタ名古屋自大、高校の探求授業へ協力 車を題材に課題設定

トヨタ名古屋自動車大学校(永田透校長、愛知県清須市)が、2022年度から始まった高等学校での新科目「総合的な探求の時間」に協力している。今年は三重県名張市の私立英心高校桔梗が丘校(長田朗校長)に講師を派遣。能動的学習(アクティブ・ラーニング)に関するノウハウを教諭に指南したり、車を題材にした探求学習を生徒に実施した。トヨタ名古屋自大は自動車整備士の育成で培った知見を活用し、高校教育の現場に貢献していく考えだ。

 総合的な探求の時間は、高校で行われる教科や科目の枠を超えた横断的・総合的な学びの授業。特定の教科にとらわれることなく、学生自身が主体的に課題を設定し、成果や研究結果を発表することを目的としている。

トヨタ名古屋自大による授業は昨年度に続き2回目。今年度は英心高校桔梗が丘校からの要請を受け、同校の探求コースに所属する2、3年生33人を対象に実施した=写真。題材は「ほんとうに環境に良いクルマって ?? 」。全3回に分け、学生が主体となって電気自動車やハイブリッド車、ガソリン車などについて調査。その結果と自身の見解を発表し、全員で共有する。

第1回目の授業では自己紹介から始め、動力別に自動車の種類について学んだ。講師を務めたトヨタ名古屋自大の谷川亮太教諭は、教師を目指して同校に入職、勤務しながら整備士資格を取得した経歴を持つ。教育の環境や生徒へのアプローチ方法を充実させることを目的に、県内の大学でアクティブ・ラーニングの手法を学び、同校に還元している。他校に向けた探求授業の出張講座についても積極的に働きかけたことによって、英心高校桔梗が丘校との協業が実現した。

授業では、谷川教諭は「自分の考えをきちんと口にし、仲間の意見をしっかりと聞こう」と学生に呼びかけ、自ら課題を見つけ、仲間とともに掘り下げていく大切さを説明。英心高校桔梗が丘校の長田校長は「学生にさまざまな切り口、考え方を経験してもらうため、社会に対する接点を多く持ってもらう一環として、今回の探求授業を企画した。この機会を活用し座学では体験できないことを学んでほしい」と学生を見守った。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)5月2日号より