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自動車業界トピックス

全石連、2023年度以降も合成燃料の実現へ要望継続

森洋会長「給油所の声が国や石油元売りに届き始めた」

 ガソリンスタンド(給油所)事業者で組織する全国石油商業組合連合会(全石連)の森洋会長は、通常総会後に開いた記者会見で合成燃料の早期実現に向けた要望を2023年度以降も継続する方針を示した。森会長は「(水素由来の)合成燃料の実現を望むわれわれの声が国や石油元売り企業に届き始めている」と分析。「実現に向けたスピードが上がることを期待する」とし、同年度の事業計画でも合成燃料の実用化に向けた環境整備や情報収集、各種要望活動に力を入れる考えだ。

合成燃料の商用化時期は、40年頃とされてきたが、政府は5月下旬に30年代前半に前倒しする目標を示した。時期が前倒しになったことについて、森会長は「合成燃料は給油所のタンクといった既存設備をそのまま使える」と、石油業界との親和性の高さを強調した。

一方、合成燃料の実現に向けてはコスト面のハードルが高い。現在の製造コストは1㍑当たり700円程度と言われる。森会長は「今は電気自動車の購入補助金が相当出ている。税の公平性の観点から言っても、合成燃料に補助金が出てもおかしくはない」と指摘。「合成燃料の実現はこれからが勝負であり、石油販売業界として声を出していかなければいけない」と、助成策やコスト抑制策に対し、関係各所に働きかけていく意向も示した。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)6月13日号より