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自動車業界トピックス

国交省、ダイハツ認証不正で適合試験の一部公開

ミライースなど販売多い5車種から検証

 ダイハツ工業の認証不正問題で、国土交通省は不正行為が確認された車種の基準適合性を検証する確認試験の一部を同社の滋賀(竜王)工場(滋賀県竜王町)で15日に公開した。確認結果は順次、公表していく。「ミライース」など販売台数が多い5車種から検証し、1月中の結果公表を目指す。

国交省は、確認試験の対象車種が最大で45車種(生産・販売中の27車種と生産終了の18車種)に及ぶことから、自動車技術総合機構(木村隆秀理事長)の施設だけでなく、ダイハツの工場も活用して9日から確認試験を始めた。車種ごとに不正行為が確認された試験項目を再検証する。

今回、国交省が公開したのは、小型商用車「グランマックス」のフルラップ前面衝突試験。時速50㌔㍍で試験車両がコンクリート製の障壁(バリア)に前面衝突した際の乗員保護性能を確認するものだ。

ダイハツが設置した第三者委員会によると、この認証試験では、運転席と助手席のエアバッグとプリテンショナー(シートベルト巻き取り装置)のインフレーター(ガス発生装置)をタイマー着火させるなどしていた。エアバッグECU(電子制御ユニット)などで作動させる必要があるが、ECUの準備が間に合わなかったという。

ダイハツは、不正行為が確認された車種の再試験を社内で実施済みで「法規が求める性能基準を満たしていることを確認した」と発表している。9日から始めた国交省と自動車技術総合機構による確認試験は、ダイハツの社内試験とは別に実施する。

国交省は、同社に対する立入検査や第三者委員会による調査報告書の内容、再発防止策などを踏まえながら順次、車種ごとに確認試験の検証結果を精査し、出荷再開を認めるかどうかを判断する見通し。確認試験の終了後には、同社に対する行政処分の検討に入る。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)1月17日号より