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自動車業界トピックス

国交省、整備士の「職場ガイドライン」策定 2023年3月末までに

若手整備士の定着へ

ガイドラインや評価制度で整備業界の職場環境改善を促す

国土交通省は、「自動車整備士の働きやすい職場ガイドライン」を来年3月末までにまとめる。シフト勤務による多様な働き方や、キャリアパスと連動した給与制度などの推奨事例を盛り込む。整備士の従業員満足度を高め、特に若手整備士の定着につなげることが狙いだ。

有識者のほか、自動車整備関連業界団体や現役整備士の意見などをヒアリングしてガイドラインに反映させる。例えば、短時間勤務や週休3日勤務など柔軟な勤務シフトの導入や、在籍年数や年齢の近い先輩社員が新入社員や若手社員を支援する「メンター制度」、キャリアと連動した待遇改善につながる評価制度の構築や、女性整備士が働きやすい職場環境づくりなどといった事例を盛り込む。

ガイドラインの策定に合わせ、自動車整備事業者による職場環境改善の達成状況を評価する仕組みも整える考え。客観評価に基づく働きやすさをPRすることで、新卒採用や過去に離職した整備士資格保有者を呼び込む効果を期待する。

自動車整備の高度化が進む中、2021年度の自動車整備士の有効求人倍率は4.55となるなど、自動車整備士の不足は深刻だ。国交省によると、自動車整備の就職説明会に参加した高校生は「仕事内容」「職場環境」に対する関心が高く、次いで「スキルアップ」「休日・休暇の取得」「残業時間」などと続く。若手整備士の獲得と定着には、これらを満たす企業努力が要る。国交省としては、ガイドラインや評価制度を通じ、整備業界の職場環境改善を促していきたい考えだ。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)12月8日号より