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自動車業界トピックス

国交省、自動車アセスメントの「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」に歩行者との衝突模擬試験を追加

国土交通省は、自動車アセスメント(JNCAP)の「ペダル踏み間違い時加速抑制装置(PMPD)性能試験」に、歩行者との衝突を模擬した試験を2023年度から追加する。これまでは障害物や車両を対象としていたが、歩行者も加えてPMPDの性能向上を間接的に促す。

停止状態から発進・後退時のペダル踏み間違いを模擬する試験方法は18年度に導入した。衝突を想定したターゲットは障害物や車両だ。その後、PMPDの性能向上や搭載車種が拡大、ペダル踏み間違い事故の動向などを踏まえ、新たな試験・評価を開始することとした。

JNCAPを通じて安全性の向上を促す

歩行者を対象とした試験用ターゲットは、欧州「ユーロNCAP」の仕様と同等のものを用意する。ターゲットの諸元値のうち、歩行姿勢の全高は1800プラスマイナス20㍉㍍だ。ミリ波レーダーやカメラなどに関し、より人間に近い被検出特性を評価できるように設定した。

国交省はこのほか「後方視界情報提供装置」の性能評価に関する試験を廃止した。国連欧州経済委員会の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で「後退時車両直後確認装置(バックモニターなど)に係る協定規則(第158号)」が採択され、21年6月から保安基準に導入したことに伴う措置だ。

また、24年度以降に新たに導入する試験方法として3項目を予定する。「MPDB(ムービングバリア)前面衝突安全性能試験」では、従来の「固定されたMPDB」から「台車に取り付けられたMPDB」に変更する。これにより、自車の乗員保護性能だけでなく、相手車の保護性能も合わせて評価できるという。

「歩行者脚部保護性能試験」の試験装置も変更する。試験に使用する大人の男性の脚部ダミーについて、センサーを追加することで、実際の衝突形態に近い評価ができるようにする。「衝突被害軽減ブレーキ(AEB)」に関しては、「交差点での対向車の右直事故と「交差点での右左折時の横断歩行者との事故」をそれぞれ模擬したシナリオを新たに追加する。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)6月23日号より