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自動車業界トピックス

国交省、豊田自動織機・碧南工場に立入検査

確認試験で基準適合性の検証へ

豊田自動織機によるエンジン認証不正問題で国土交通省は30日、同社碧南工場(愛知県碧南市)に道路運送車両法に基づく立入検査を実施した。不正行為の事実関係の確認などを行うとともに、不正行為が確認されたすべてのエンジンの基準適合性を検証する確認試験の結果も踏まえ、厳正に対処する方針だ。斉藤鉄夫国交相は30日の閣議後会見で「今回の不正行為は産業機械や自動車のユーザーの信頼を損ない、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為で、極めて遺憾だ」と述べた。

豊田自動織機は、産業車両用エンジン全機種(5機種)とトヨタ自動車などに供給している自動車用ディーゼルエンジン3機種で型式指定申請における不正行為を新たに確認したと発表した。

斉藤国交相は日野自動車とダイハツ工業を含め認証不正発覚が相次いだことにも触れ、「背景としていずれも企業のガバナンスに関する問題が大きかった」と指摘。豊田自動織機の立入検査などでも「ガバナンスに関する問題がないかの視点も含め広く調査する」とした。

国交省は、豊田自動織機に対し、排出ガス性能などの基準適合性を確認するまで型式指定申請の不正行為があった現行エンジンの出荷停止や、ユーザーなどへの丁寧な説明や対応に務めるよう指示した。新たに基準不適合を確認したエンジンが搭載された建設機械のリコール(回収・無償修理)の検討なども求めた。

トヨタ、日野と豊田自動織機は自動車用エンジン3機種と搭載車両を抜き取り検査で再検証し、出力性能が出荷基準値を満たしていることを確認したと発表している。国交省ではこれとは別にすべての現行エンジンの基準適合性の確認試験を実施するとしているが、実施時期は現時点で未定だ。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)1月31日号より