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自動車業界トピックス

国交省、駐車場施策を見直し 「まちづくり」の視点で質・量ともに最適化

国土交通省は駐車場施策を見直す。駐車場台数が増加を続ける中、過剰供給による都市空間の魅力減退や市街地の空洞化が加速。電気自動車(EV)、自動運転車、超小型モビリティの普及など駐車場を取り巻く環境も大きく変化する。関連制度の見直しや地域特性に応じた整備を通じて供給量の適正化を図るとともに、有用性が少ない駐車場の土地利用転換・利活用の促進を図る。駐車場施策は転換期との認識で、今後は量的・質的な観点からまちづくりの一環として駐車場施策に取り組む考えだ。

国交省によると、駐車面積500平方㍍未満の駐車場(コインパーキングなど)や特定の者が利用する駐車場(車庫など)を除いた駐車場総共用台数は、2020年度末で約544万台を数える。近年は、自動車保有台数の伸びを上回る勢いで駐車場の量的整備が進められてきたが、過剰供給であるのが実態だ。

地方都市部では、駐車場の乱立でまちの魅力低下や市街地への投資減退を招き、さらに低未利用地の発生と駐車場の転用につながる「負のスパイラル」が発生。大都市中心部でも、一定規模以上の建築物などに整備が義務付けられている附置義務駐車場に供給過剰の傾向が見られる。また、駐車場施設に関する問題においても、二輪車、観光バス、荷さばき駐車施設、バリアフリー化された特定路外駐車場などへの対応も課題に挙がる。

駐車場法の届出の対象外となるコインパーキング式駐車場は、07年の約3万2千カ所から18年には約7万9600カ所と約2.4倍に増加した。

超小型モビリティや電動キックボードといった新たなモビリティに対応した駐車場の整備も今後は求められる。

国交省は、駐車場の基本的な考え方として、適正な需要に見合った量的なコントロールが必要とする。総量だけでなく、荷さばきや二輪車など用途別の適正化も重要と考える。都市空間の魅力減退や市街地の空洞化などに対して、駐車場の位置・配置など「質」的コントロールも重要とする。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)10月12日号より