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自動車業界トピックス

東京オリンピック開幕、自動車業界からの出場は100人超

徐々に高まる応援機運

新型コロナウイルス感染拡大で1年間延期された東京オリンピックが23日、開幕した。日本の出場選手は過去最高の582人となり、そのうち、自動車業界からは約100人が出場する。グループ企業も合わせて50人が出場するトヨタ自動車は自社メディアで情報発信を行い、出場選手を応援する。スポーツ選手の多くは実業団として企業に所属、勤務しており、スポーツと企業の関わりは深い。オリンピックの舞台で活躍する選手を多く輩出する自動車業界においても、大舞台に立つアスリートに対する応援機運が高まっている。

自動車業界から出場する多くの選手の活躍が期待される

日刊自動車新聞社の調べでは、トヨタやホンダといった自動車メーカーをはじめ、部品・素材メーカー、損保や運輸業、新車ディーラーなどに勤務・所属するアスリート101人が東京オリンピックに出場する。同様に自動車業界に関連する東京パラリンピック出場選手数は23人に上る。

出場選手数が最も多いトヨタは創業時から社内の「運動部」の取り組みが活発で、オリンピック・パラリンピックに対しては最上位スポンサー「ワールドワイドパートナー」に就く。サプライヤーや販売店などトヨタグループに所属する選手は、国内外を問わず「グローバルチームトヨタアスリート(GTTA)」と銘打ち、47カ国・233人が在籍する。GTTAからはオリンピックに123人、パラリンピックに71人が出場する。

選手村の移動ではトヨタの「e-パレット」なども活躍しそうだ

トヨタでは、新型コロナウイルス感染拡大で一部を除き無観客となったことなどを受け、大会に関連するテレビCMを放送しない方針だが「アスリートを徹底的に支援することに集中したい」(長田准執行役員)考え。その取り組みの一つとして、自社メディアの「トヨタイムズ」で、競技結果やアスリートの出場スケジュール、インサイドストーリーなどをオリンピック、パラリンピックの開催期間中、毎日午後7時から30分間ライブ配信を行い「オリパラを通じて社内の活性化を図りたい」(同)考えだ。

ホンダも陸上競技などに選手が出場するが、無観客大会となる中、社内向けメディアで応援する。部品メーカーからは、デンソーや豊田自動織機などトヨタ系をはじめ、パナソニックや住友電気工業などから選手が出場する。ディーラーでは、滋賀ダイハツから射撃選手が日本代表選手に選ばれている。パラリンピックでは、バドミントンでダイハツ工業、カヌーでネッツトヨタ名古屋から選手が出場する。

東京オリンピックでは、大会運営でも自動車メーカーが深い関わりを持つ。トップスポンサーのトヨタは、選手など大会関係者の移動に活用するオフィシャルカーとして3340台を投入する。そのうち、燃料電池車(FCV)は475台となり、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)を合わせて大会車両の約9割を電動車とする。これにより二酸化炭素(CO)排出量は過去大会で最も低い数値とし、環境負荷の低減にもつなげる考えだ。

選手村の移動では、EVの自動運転車「e―パレット」や電動カート「APM(アクセシブル・ピープル・ムーバー)」なども投入するほか、大会車両をスムーズに運用するための運行管理システムを導入するなど、次世代モビリティの実装実験の場としても活用していく方針だ。

※日刊自動車新聞2021年(令和3年)7月24日号より