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自動車業界トピックス

経産省、レアメタルなど鉱物資源の選鉱を支援

リスクマネーの供給先拡大 合成燃料も検討に

経済産業省は、国内での水素の製造やレアメタルなど鉱物資源の選鉱の支援を始める。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じ、これらの分野で先進的な技術開発を行う企業に対しリスクマネーを供給する。合成燃料を支援対象に加えることも検討していく。コバルトなどのレアメタルは電気自動車(EV)用の電池で使用されるほか、CCS(二酸化炭素回収・貯留)技術は工場における火力発電の脱炭素化につながる。自動車産業の資源、エネルギー確保にも期待ができそうだ。

鉱物の製錬工程を国内に構築する(写真はイメージ)

JOGMECによるリスクマネー供給の対象を拡充する。将来的に必要な技術であるものの、投資額が大きく、回収不能に陥る可能性がある分野に対し、企業に投資資金を支援する。

新たに水素やCCS分野を対象に追加した。水素は年間の日本企業における引取量が17万㌧以上と一定規模の製造を行う企業を対象にする。CCSは、二酸化炭素(CO)貯蔵量が200万㌧以上で、「国内に大規模なCCSハブとクラスター拠点を設置することを条件」(経産省の担当課)とした。水素、CCSともにコスト競争力が高いサプライチェーン(供給網)を早急に整備する。

今後合成燃料や合成メタン、アンモニアも支援対象に加えることを検討する。合成燃料は既存の内燃機関車の脱炭素化でも活用が見込まれており、将来の自動車産業のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)にも貢献する可能性がある。

また、レアメタルの供給網を国内に確保するため、金属鉱物へのリスクマネー支援も行う。鉱山から採取してきた鉱物を国内で選鉱・製錬する企業を支援する。コバルトやリチウムなどのレアメタルはEV用電池やモーターなどに使われるため今後需要の急伸が見込まれるが、産出国は中国など特定国に依存する傾向が強い。国内で製錬工程などを行えるようにすることで、供給量やコストの安定化を進める。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)8月3日号より