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自動車業界トピックス

経産省、自動運転の安全性評価指標 数年内に一般道でもISO規格化

制度設計で世界をリード

経済産業省は、自動運転の安全性評価指標において、日本基準の国際標準化に向けた活動に力を入れる。すでに国際標準化機構(ISO)に採用された高速道路での評価指標に加え、一般道路での指標も数年以内につくり、ISO規格化を目指す。「レベル4」(特定条件下における完全自動運転)以上の高度自動運転車の早期導入に向け、制度設計で先行し、日本企業の技術開発を後押ししていく。

高度自動運転車の普及を見据え、制度設計を急ぐ

日本発の自動運転における安全性の評価手順を含む「ISO34502」を提案し、11月に国際標準として発行された。今回、発行されたのは、高速道路における走行車両の挙動の安全性を評価する「交通外乱」、センサー類の挙動などを評価する「認識外乱」、落下物など外的要因による影響を評価する「車両運動外乱」など、走行中に発生する事象において安全性を評価する指標だ。企業などはこの評価指標に沿って自動運転システムの安全性を検証していくことになる。

経産省は「SAKURAプロジェクト」を立ち上げ、自動車関連団体などとともに評価指標の体系化に取り組んできた。今回のISO規格も同プロジェクトの成果だ。

今月、発行された規格は高速道路に限定したものだが、一般道路を対象とした指標づくりも始めており、数年かけてISO規格を目指していく。

高度自動運転の普及には社会的受容性の醸成が不可欠であり、国際統一された安全性の評価基準があれば一つの目安になる。

一方、評価基準のルールづくりは企業の技術開発方針を左右する領域でもあり、政府としては、制度設計で世界をリードすることで、日本の国際競争力の向上にもつなげていく。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)11月26日号より