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よくわかる自動車業界

自動車業界入門 ④国内市場

日本国内で2019年度(19年4月~20年3月)に販売された新車は、登録車と軽自動車を合わせて503万8727台となりました。19年10月の消費税増税による購買意欲の冷え込みや大型台風によって販売活動が停滞した影響もあり前年度と比べて4.2%減少したものの、4年連続で500万台を上回る水準を続けています。

新車販売の3分の2を占めるのが登録車です。日本自動車販売協会連合会のまとめによると、19年度の登録車販売台数は前年度比4.6%減の318万2760台でした。一方、軽自動車は、全国軽自動車協会連合会によると、同3.5%減の185万5967台と登録車よりも小幅な落ち込みにとどまりました。

 販売台数全体をみると依然として登録車が大きなボリュームを占めています。しかし車名別の販売台数では、軽自動車の存在感が際立っています。ホンダの軽自動車「N―BOX(エヌボックス)」が3年連続で首位となったのをはじめ、2位ダイハツ工業「タント」、3位スズキ「スペーシア」と続き、5位までを軽自動車が独占しました。

では登録車はというと、19年9月にセダンとワゴンを全面改良したトヨタ自動車「カローラ」が最上位の6位に入っています。登録車の中でトップになるのは13年ぶりのことです。このほかトレンドとしてはSUVの販売が順調に伸びています。19年度の販売台数は前年度と比べて2桁の伸びを示しました。

今後の新車販売市場は、人口減少などによって縮小していくとの見方が大勢です。自動車への価値観も従来のような「所有」を前提としたものから、必要な時に必要な分だけ「使用」するという考え方が台頭しつつあります。さらには電動化や自動運転技術の開発も進んでいます。国内流通を担う自動車販売店は、自動車産業全体に迫る大きな変革の波に、柔軟に対応していくことが求められています。

※日刊自動車新聞2020年(令和2年)4月17日号より