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よくわかる自動車業界

連載 自動車業界入門 ㉛三菱自動車

三菱自動車の起源は三菱重工業の自動車部門です。1970年に独立し「三菱自動車工業」が誕生しました。この翌年から同社設立目的の一つである海外市場への進出が本格的に始まりました。

かつて三菱自はトラック、バス、乗用車を製造・販売する総合自動車メーカーでしたが、2000年にダイムラークライスラー(当時)と資本提携すると、03年にはトラック・バス部門を分社しました。16年に日産自動車の出資を受け、現在ではルノー・日産とアライアンスを組んでいます。

4月から米国などで発売した新型「アウトランダー」

三菱自は三菱重工自動車部門時代の1960年に「三菱500」を発売し、乗用車事業の本格展開を始めました。その後、90年代のRVブームのけん引役となる「パジェロ」を発売して一時代を築きました。「デリカ」を含め「RVといえば三菱」というイメージが定着したのがこの頃です。

2000年以降は電動化に力を入れています。世界初の量産型電気自動車(EV)「アイ・ミーブ」を発売し、その後、プラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダーPHEV」を発売するなど、EVやPHVのシェア拡大に努めています。

三菱自への日産の出資比率は34.03%(20年9月現在)です。日産が3割超を出資するきっかけになったのは、16年に発覚した三菱自の燃費不正問題でした。両社は軽自動車の開発などで提携関係にあり、経営悪化が懸念された三菱自を救済する目的で日産が出資しました。

一方、三菱グループも三菱自への出資を継続しており、現在も三菱商事が20.02%(20年9月現在)、三菱重工が1.44%(同)を出資しています。

三菱自の21年3月期の世界販売台数(小売り)は、前期比29%減の80万1千台でした。コロナ禍の影響を受け、東南アジアが同35%減と大きく落ち込みました。東南アジア地域は同社の主力市場であり、回復に期待がかかっています。

※日刊自動車新聞2021年(令和3年)6月15日号より