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よくわかる自動車業界

連載 自動車業界入門 ㉝ダイハツ工業

ダイハツ工業は日本の自動車メーカーで最も古い歴史を持ちます。創業は1907(明治40)年で、国産エンジンの開発を目的に設立された「発動機製造」がルーツです。後に四輪小型トラックを発売して自動車事業に進出し、51年に創業地である大阪の「大」と発動機の「発」を組み合わせたダイハツ工業を社名としました。

現在のダイハツは軽自動車のトップメーカーであり、2020年度には軽販売で15年連続の首位を獲得しました。最近の大きな強みとなっているのが、同社独自の開発手法「ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(DNGA)」です。軽自動車から小型車まで設計思想を共通化し、良いものを安価に提供する「良品廉価」なクルマづくりを可能にしました。

DNGAで品質、性能を向上(軽自動車の「タフト」)

DNGAは19年に全面改良した軽スーパーハイトワゴン「タント」から採用され、その後は「ロッキー」「タフト」と登録車、軽を問わず採用車種を拡大しました。また、DNGAは国内のみならず東南アジアなど海外向けモデルにも展開しています。

16年にトヨタ自動車の完全子会社となったダイハツは、トヨタとDNGAを軸とした連携を加速しています。20年1月、DNGA開発のけん引役だった松林淳氏がダイハツ会長就任と同時にトヨタグループの「新興国小型車カンパニー」のトップに就きました。これにより松林氏は同グループの新興国事業を主導する立場となりました。

世界的な脱炭素化の流れの中で自動車メーカー各社が電動車を相次ぎ投入していますが、ダイハツは現状では電動車で出遅れています。コストやスペースに制約がある軽やコンパクトカーの電動化は課題が多いですが、同社はトヨタが持つストロングハイブリッド技術をベースに、軽や小型車に採用しても価格競争力が維持できる独自のハイブリッドシステムの開発を進めています。

※日刊自動車新聞2021年(令和3年)6月17日号より