「クルマを直せるようになれば、皆の役に立てるのではないか」という思いから、自動車整備士を目指したという鎌田直樹さん。勤め先の「スズキアリーナ湘南あつぎ」は、生まれ育った愛川町の隣町に立地していることもあり、友人や友人の両親など鎌田さんを頼ってスズキ車を求めるユーザーも多い。地域に密着したメカニックとして、同社を盛り立てる。
　鎌田さんは中学生の頃から、メカニックへの道を意識し始めた。きっかけは、子どもの頃家族でのドライブ中にクルマが故障し、出先近くの自動車ディーラーに助けられた思い出から。エンジントラブルの修理だけではなく、管理客でもない自分たちに対しても、レンタカーの手配など親切に対応してくれたことに感動したという。
現在入社１０年目となり、どんな整備もこなせる力を身に付けた。完成検査や故障診断、オーバーホールがメインとなるが、他のスタッフが担当する車検整備にも目を配る。時間に制限のある仕事が多いため、「工場内がピリピリしないよう雰囲気づくりには気を遣っている」という。自ら冗談を言って場を和ますことも。「現場が明るければ、そうした空気がお客さまにも伝わる」と考えるからだ。
今は頼られる存在へと成長した鎌田さんだが、入社当時は分からないことが多く、「新入社員の自分が整備技術でお店のためにできることは何もなかった」と振り返る。少しでも皆の役に立ちたいとの思いから、朝は誰よりも早く店舗に出社し、掃除など自分ができることで店舗に貢献しようと取り組んだ。そうした鎌田さんの仕事への姿勢は職場の仲間にも伝播し、ユーザーのみならず仲間を思いやる社風を育てている。