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自動車業界トピックス

ビッグモーター新会社、5月1日に発足

不正表面化から社員数は3割近く減少か

 伊藤忠商事など3社連合による買収が決まったビッグモーター(和泉伸二社長、東京都多摩市)の新会社が、5月1日付で発足することになった。同社の和泉社長が4月15日付で全社員宛てにメールした。また、同社は現在の社員数を明らかにしていないが、自動車保険金の不正請求問題などが表面化した昨夏時点と比べて3割程度減っているもようだ。

和泉社長のメールでは、この日(5月1日)はできるだけ日程を調整して社員全員が出社するように呼び掛けている。「新会社として組織や体制などたくさんのことをお伝えする日になる」としている。「私たちはあまりにも多くのことを失い、真の再建にはまだ道半ばである」とした上で、「(5月1日は)気持ちを一つに全員でスタートを切りたい」と訴えている。今後の給与や歩合給のことなどについても説明がありそうだ。

このメールの送信先は、約4100人となっている。創業者の兼重宏行前社長が謝罪会見をした2023年7月下旬の段階では、社員数が5900人だった。当時と単純比較すると、約3割減ったことになる。

同社では昨夏の謝罪会見以降、中古車の販売台数が大幅に落ち込んでいたが、最近は月間5千台程度を記録する月も出てきた。ピーク時には程遠いものの、大手商社である伊藤忠の買収方針が報じられて信用度が増し、「現時点ではちゃんと対応してもらえるのではないか」と期待する消費者が多いようだ。

一方で山梨、群馬、埼玉、長野の4県で計29台の展示車両が盗まれる事件も起きている。山梨県内では4月5日未明、2店舗で盗難が相次いだ。同一犯の可能性もあるとみられている。

伊藤忠などの3社連合は現在のビッグモーターを会社分割して、中古車販売といった主要事業を新会社に承継する。新会社の運営には創業家は一切関わらない。旧会社は、これまでの顧客との訴訟など簿外債務の対応をする。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)4月17日号より