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自動車業界トピックス

国交省、高速道路料金の深夜割引 時間内走行分のみ対応へ

2024年度中めどに見直し

国土交通省は、高速道路料金の深夜割引を2024年度中をめどに見直す。割引の適用時間帯を現行の午前0時~4時から午後10時~午前5時に広げ、同時間内に走行した分のみ3割引きとする方針に改める。深夜割引をめぐっては、長距離トラックが料金所手前で時間調整の渋滞をつくるなどの問題があった。国交省は、トラック運転手の時間外労働規制が強化される「2024年問題」も踏まえて是正を急ぐ。

2024年問題が迫る中、トラックドライバーの労働環境改善も目指す

04年に始まった現行の深夜割引制度は、ETCを装着した車両を対象に、午前0時~4時の間、高速道路料金を3割安くするものだ。短時間でも適用時間内に走行すれば、適用時間前後も同様の割引が適用される。

同制度は一般道からの利用転換など一定の効果があった半面、割引が適用される午前0時前後になると料金所前で大規模な渋滞が発生したり、時間調整のための車両がサービスエリアを占有するなどの問題も指摘されていた。

国交省はまず、適用時間を午後10時~午前5時に広げ、交通量の分散を図る。加えて、適用時間内に走行した分だけ料金を割り引くよう見直す。

見直しに伴って料金負担が増えるケースもあるため、長距離利用者の負担軽減措置を拡充する。現在の割引率は200㌔㍍超で最大30%だが、400㌔㍍超で40%、600㌔㍍超で45%、800㌔㍍超で50%の割引率を新設する。24年度中に新制度の導入を目指す。

物流業界は、24年4月からドライバーの時間外労働が規制される2024年問題への対応を迫られている。休息時間や拘束時間の見直しを進める中で、特定の時間に限定した深夜割引制度は、ドライバーの長時間労働の原因の一つになっている。国交省は制度を見直すことで、物流業界の労働環境改善にもつなげたい考えだ。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)1月23日号より