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自動車業界トピックス

政府、園児置き去り防止安全装置 小・中学校送迎バスも対象に

政府は、送迎用バスの園児置き去り防止を支援する安全装置に対する財政支援について、小中学校の送迎バスも対象に加える方向で検討する方針を明らかにした。幼稚園や保育園などと異なり、小中学校に対して安全装置の装備義務付けは求めないが、学校が必要と判断した場合は装着費用を補助する考えだ。低年齢層や障害を持つ児童、生徒が在籍していることなども踏まえ、支援対象の幅を広げることが必要と判断した。

国交省はワーキンググループを設置し、安全装置のガイドラインを検討している

20日の参議院予算委員会で、永岡桂子文部科学相が「小学校や中学校の送迎用バスについては一律に安全装置の装備義務付けは行わないが、学校が装備を必要と判断した場合、国としても財政措置を行う方向で検討する」と述べた。

小学校や中学校にも低年齢の児童や障害を持つ児童、生徒が在籍しており、車内に取り残された場合、自力で助けを呼んだり、脱出できない可能性があり、それぞれの事情に応じた対応を行う必要があるとの考えを示した。公明党の佐々木さやか議員の質問に答えた。

政府は、送迎用バスへの安全装置の装備義務付けに関して、保育園、幼稚園、認定子ども園、認可外保育施設、特別支援学校、放課後などデイサービスを対象とする方針だ。10月中にまとめる総合経済対策に、送迎用バスへの安全装置導入支援などを含む「子どもの安心・安全対策支援パッケージ」として盛り込む。

具体的な財政措置の内容は、安全装置の製品市場や国土交通省が検討を始めた製品ガイドラインの動向を踏まえながら決定する。岸田文雄首相は「事業者の負担がゼロとなるよう全額補助を行う方向で調整している」と語った。

国交省では、年内に安全装置のガイドラインを策定するため、自動車関連団体などが参画するワーキンググループを設置し、4日に初会合を開いた。対象車両は送迎用バスに限定し、幼稚園など事業者への過度な負担とならないよう、既販車にも装着できる装置を視野に入れたガイドラインを年内に策定する。

斉藤鉄夫国交相は「現在、中小企業をはじめとしてさまざまな企業から安全装置に関する提案や開発が進められていることは承知している。国交省としても、中小企業の優れた技術を活用するため、幅広く事業者にヒアリングを行いながら安全装置の仕様に関するガイドラインを策定したい」としている。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)10月21日号より