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自動車業界トピックス

岸田首相、CEV補助金「空白なく」 遡及適用の可能性も

岸田文雄首相は20日の参議院予算委員会で、11月上旬にも今年度分の予算が尽きる「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」に関して、補助金が支給されない「空白期間」が発生しないよう関係省庁に指示する方針を示した。CEV補助金の追加財源としては、年内に成立を目指す2022年度第2次補正予算での手当てを見込むが、補正予算の成立時期によっては補助金が支給されない空白期間の発生が危惧されていた。岸田首相はまた、空白期間が生まれないよう、時限的な遡及(そきゅう)適用の可能性も示唆した。

CEV補助金が好調なEV販売を下支えしている

CEV補助金をめぐっては、日産自動車や三菱自動車の新型軽電気自動車(EV)の販売好調により「昨年の2倍のペースで申請が来ている」(西村康稔経済産業相)状況だ。次世代自動車振興センター(堀洋一代表理事)によると、17日時点での予算残高は約55億円で、11月上旬にも補助予算を使い切る見通しだ。

軽自動車で最大55万円、登録車(排気量660cc超)で同85万円を支給するCEV補助金が切れれば、好調なEV販売に水を差す恐れがあった。政府は、第2次補正で追加財源を確保する考えだが、11月上旬に間に合うかは不透明な情勢だ。

岸田首相は「隙間なく予算を執行できるよう、工夫をするように経済産業省と財務省に指示する」とし、補助金の空白期間が生じないよう対応する。経産省は、すでに補正予算の閣議決定日以降に登録・届出された車両を補助金の支給対象とする方向で検討を始めている。ただ、閣議決定日によっては、補助要件から漏れる車両が発生する可能性もあり、岸田首相の答弁は、遡及措置で対応する方針を示唆したものだ。

岸田首相はまた、10月末に決定する総合経済対策でもCEVの導入支援を重点措置に盛り込む方針を明かした。財政支援を含む政府支援を手厚くし、「35年新車乗用車販売電動車100%」の政府目標達成に弾みをつける。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)10月21日号より